PBP 2015 プロローグ
4年に一度開かれる1200kmブルベ、「PBP(Paris-Brest-Paris)」。この大会を説明する際には、しばしば「ブルベの最高峰」という言葉が用いられる。しかし「最高峰」とは一体何を指しているのか。距離なのか? それとも過酷さなのか? その意味を確かめるべく、フランスへ向かったのだった。-----PBPを意識し始めたのは何時だったのか、正確には覚えていない。一番古い記憶は、2011年9月にカフェサコッシュで開かれた、三船雅彦氏の「...
PBP 2015 エントリー準備(2014年)
PBP前年である2014年から、出場に向けて活動を開始した。PBPに参加するには、「開催年のSR(Super Randonneur)取得」が条件とされているが、確実にエントリーするには前年度から準備が必要となる。具体的には、先行登録(Pre-registration)の優先順位が前年度の実績によって決定されるのだ。(開催年+前年のSR取得が登録条件と思っている人も多いが、それは間違いである)今回のPBPでは、 「2014年に完走したBRMの中で、完走したカテ...
PBP 2015 エントリー準備(2015年)
2015年になると、1月から慌しく準備を開始。PBP当年は、例年よりも1~6月のBRM開催本数が大幅に増加する。人呼んで「PBPシフト」。PBP参加を目指す周りのランドヌールたちも色めき立っていた。私が5月までにエントリーしたBRMと、その結果は以下である。 ・BRM110西東京200: DNS ・BRM124日本橋200: 完走 (9時間54分) ・BRM207たまがわ300: 完走 (15時間15分) ・BRM221日本橋300: 完走 (14時間24分) ・BRM307たまがわ40...
PBP 2015 エントリー実行
5/6にPBPの先行登録を実施。先行登録は、単に出場権を早めに得られるだけのものだと思っていた。しかし、他にもメリットがあるらしい。制限時間と、スタート時間の選択である。通常、1200kmブルベの制限時間は90時間。しかし、PBPでは80時間の部・84時間の部が存在する。要はこの部門はファストラン狙いの人向けの部門。制限時間が短い分、以下のようなメリットがある。 ・80時間の部: 一番最初にスタート出来る(PCや道が混まない...
PBP 2015 参加準備
PBP参加にあたっては、エントリー以外にもやるべきことが多かった。私は今年で31歳になるが、海外旅行経験無し。それどころか、飛行機すら乗ったことが無い。そんな状態から、海外に自転車を持っていって1200kmを走ろうと言うのである。今考えても相当無茶である。準備にあたっては、ふぃりっぷさんに大いに助けられた。これまでも、TOT・本州一周・フレッシュ等々の記事で事あるごとに登場頂いたふぃりっぷさん。何を隠そう、彼は...
PBP 2015 装備&ウェア
装備とウェアは基本的に「使い慣れたものを」ということで、なるべく実績のあるものを使用する方針で選定した。■装備フレームは、昨年後半からロングライド用として常用しているLAPIERRE XELIUS。元々はバリバリのレース向けモデルだが、乗り心地も良くロングライドでも問題ない。あと、フランス産フレームというのもポイント。一応このモデルは本国生産のモデルらしく、PBPが里帰りと言うことになる。足回りは、Campagnolo EURUS ...
PBP 2015 スタート前々日
8/14 12:40、無事にフランスの表玄関、シャルル・ド・ゴール空港に到着。着陸時は結構揺れたが、初の飛行機だったので「こんなものか」と思っていた。ふぃりっぷさんによると、結構ヤバかったらしい。知らぬが仏。空港の荷物受け取り場に行くと、「AJたまがわ」のartsさん、がんちょさん、ぜっとさん、K内さんの姿が。羽田からの直行便ということで、やはりこの便に参加者は多い。「果たして、無事に自転車が出てくるのか?」と、全...
PBP 2015 スタート前日
この日は車検日。自転車を走行時と同じ状態に仕上げて、3km離れたSaint-Quentinへ向かう。車検会場であるベロドローム手前の橋で自転車を降りた。同じく車検に向かうと見られる反射ベストの人たちが多く、乗って走れる状態では無かったからだ。ベロドロームに近づくごとに人の密度は増し、既に周りはランドヌールだらけになっていた。こんなに多くのランドヌールを一度に見たのは初めてだ。既にブルベの「最高峰」の雰囲気が伝わっ...
PBP 2015 スタート当日
朝5時半に起床し、眠い目をこすりながらドロップバッグに荷物を詰める。ドロップバッグは、コース中に予め荷物を送っておけるサービスのこと。着替え・食料・電池など、道中では容易に手に入らないものを入れることが多い。PBPでは公式のドロップバッグサービスは無いが、各国のツアー会社がドロップバッグサービスを用意している。私は日本の「グッドウィルツアー」のドロップバッグサービスに申し込んでいた。今回、ドロップバッ...
PBP 2015 本編①Saint-Quentin ~ Mortagne-au-Perche(140km)
スタートからSaint-Quentinの街を出るまでは交通規制が敷かれている。ブルベで交通規制なんて聞いたことがないが、やはりPBPは特別ということらしい。間もなく、泊まっていたホテルの前に差し掛かる。フィリップさんのご家族と、ホテルの従業員の方が手を振ってくれていたので、それに応えた。「まずは一仕事終えたな」と、ふぃりっぷさんと談笑。しばらくは大集団で街を駆け抜けた。15kmほど走った所で街が終わり、辺りが田園風景...