本州一周TT 2日目(岩手県・花巻~青森県・青森)

ばる

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寒さで目が覚めた。

暖房が効いているとはいえ、道の駅の休憩所内の気温は20度以下。入眠時は運動直後で体温が高かったものの、眠ってしまうと体が冷えてくるらしい。アウトドア経験の少ない自分にはそんなことも解らなかった。レスキューシートを使うべきだったと反省。

時計を見ると、2時間程度眠れたようだ。道の駅のトイレで歯を磨き、顔を洗う。本州一周2日目の始まりである。


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道の駅の隣にあるローソンのイートインで朝食を食べる。テーブルの上を見ると、ゆで卵の殻のカケラが。……なるほど、先に出発した4人もここで朝食を食べたようだ。コンビ二でゆで卵を食べる人といえばチャリモさんしかいない。彼は必ず額で卵の殻を割る。タンパク質の補給だそうだ。

そしてTwitterで、なるさんが東京→青森をリタイヤしていたことを知る。途中でREDのシフトレバーが壊れたらしい。REDの破損報告、多いなぁ……。


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4/27 7:20、ゆるゆると走行を再開。盛岡を前に桜前線に追いついたらしく、沿道には満開の桜の木が並ぶ。一ヶ月前に東京で花見をしたことを考えると、ちょっと不思議な感じだ。

日が昇るにつれて気温はぐんぐんと上がり、長袖のジャケットでは暑いくらいに。数時間前まで1桁気温だったとは思えない。春の東北の気温差は本当に油断がならなかった。


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盛岡の市街地に入ると、大きな山が遠くに見えてくる。岩手山だ。冬を終えたばかりの山肌には大量に雪が残っており、非常に綺麗。夏のツーリングで岩手を走ったときとはまた違う光景に心躍る。

盛岡市より先は、R4から外れてR282で秋田方面へ。先行する4人はそのままR4で青森を目指すようだが、実はR282を使用したほうが距離も獲得標高も少なくて済む。ルート指定のあるブルベならばこういったことは出来ないが、その辺りが柔軟な本州一周ではこういったことが出来る。


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「道の駅 にしね」までは緩い登りが続き、そこを過ぎると安比高原まで本格的なヒルクライムが始まる。といっても最高標高は500m程度。頂上の安比高原駅前のローソンで休憩を取って先に進む。一旦下って、貝梨峠まで登り返し、ここからはしばらくダウンヒル。ふと見上げると、「秋田県」の文字。約200kmあった岩手県が終わった。


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青森までの道のりで最後の峠である坂梨峠を前に、「道の駅 かづの」で大休憩。せっかくなのでご当地ものを食べたいなーと思ったところ、レストランで「比内地鶏の親子丼」を発見。この旅で初めての店での食事である。Twitterを確認すると、R4ルートを行った4人もちょうど休憩しているようだった。


10分ほど仮眠をしてから再出発。次に登る坂梨峠は、標高こそ350m程度しかないものの、勾配はそれなりに急。ここまで650km走ってきた脚には地味に辛い。更に、ディレイラーの調子が悪く、インナーローにギアが入りにくい。ダンシングを多めに混ぜて乗り切り、坂梨峠を越えた。ここから先は東北最後の県・青森県だ。

黒石、浪岡は順調に通過。ここから丘の上の青森空港に向けて軽いヒルクライム。距離は短いものの、斜度は結構キツい。青森空港前の有料道路は自転車通行可。20円を払って駆け抜ける。空港前を過ぎると、道はにわかに下り始め、そこからは青森市街まであっという間。


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4/27 18:40、青森県庁前のR4終点に到着。723km、42時間40分であった。昨年逆方向に走ったときよりも6時間半遅いが、この後走る距離を考えれば上々のタイムと言える。まだまだ道半ばであるものの、この「終点」という場所は「終わった」感が凄い。「青い森公園」前には、R4の終点とR7の始点を示すモニュメントがある。昨年の青森→東京ではスタート地点だった場所だ。ここで一旦の区切り。長かった。


Twitterを見ると、まもなくチャリモさんもここに到着する模様。モニュメント前で待っていると、まもなく明るいライトが近づいてきて……そのまま通り過ぎていった。大通りの対向車線なのでこちらに気付かなかったらしい。慌てて自転車に跨って追いかける。次の交差点でキャッチ。

  「R4の終点通り過ぎてるよ!!」
  「あれ?過ぎてたの?どこだったか全然解らなかったわ。」

  
ということで、チャリモさんをモニュメント前まで誘導して記念撮影。


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一応、この本周一周TTは、各1桁国道の終点を通過することになっている。いわばここがチェックポイントなのだ。


とりあえず、日本最長国道は攻略完了。しかし、残りはまだ2700km。

改めて「途方もないことをやっているな」と思うのだった。

(つづく)
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